任意売却のまめ知識
(1)任意売却が出来ないケース
任意売却が出来ないケースもございます。
代表的なケースをリストアップしました。
- 連帯債務者/連帯保証人/保証人と連絡がとれない為、売却の承諾が得られない。
- 任売で販売をしていて、内覧・内見希望者が出ても、お部屋の中を見せてもらうことが出来ない。
- 税金の滞納額、マンションの管理費の滞納額が債権者の許容範囲を超えてしまっている。
- ご本人もしくは保証人の本人確認ができない。お歳でご自分の意思表示ができない場合も不可です。
- 債務者が、債権者との関係をグチャグチャに壊してしまった場合。
- 連帯保証人に絶対に迷惑をかけられない場合。
- 再建築不可能な条件下にある不動産で、売却難物件。
- 依頼主が途中で消息不明になってしまう場合。
(2)連帯保証人には迷惑はかかります
連帯保証人が付いている場合の任意売却および競売で、連帯保証人様への迷惑は避けては通れません。
任意売却をしたいのだが、連帯保証人には絶対に迷惑をかけることはできないし、連帯保証人には絶対バレたくは無いというお問い合わせが非常に多く寄せられております。
連帯保証人様に迷惑をかけずに、知られることなく任意売却を進めることは不可能です。
連帯保証人とは、主たる債務者が返済を怠った時に、代わりに返済をしますという契約をされた方です。
従って、融資を行った金融機関は、貴方の代わりに連帯債務者に返済を求めることになります。
しかし、当社では、その連帯保証人様にかかる迷惑を最低限度の抑える方法などのアドバイスも含め、任意売却を処理いたしております。競売で処理された場合、連帯保証人様への迷惑の度合いは任売の比では有りません。
(3)連帯債務者の持分が競売になった場合!
不動産を家族と共有している場合、その共有持分は本人の財産ですので原則として共有持分を処分されてしまいます。
共有持分が第三者へ売却された場合には、家族とその第三者との共有になってしまいます。その不動産を家族名義で維持したい場合には共有持分を家族に買い取ってもらうことが必要となります。
また、共有名義人は、他の共有名義人に対して「共有物分割請求」を起こすことが可能です。そして共有物分割請求がなされると、家全体(あなたの持分も含め)が競売に付されます。
共有持ち分が、各々2分の1の場合、その落札価格の半分を相手が、半分をあなたが手にすることになります。結果として、その家は、共有物分割請求で落札した人のものになります。
共有物分割請求を防ぐには
最初の競売の時点で自分が入札し、落札する。
落札した人に落札価格以上の金額を支払い共有持分を買い取る。
(しかし、落札額での買取はまず無理とお考えください。)
共有物分割請求の競売に自分が入札し、落札する。入札額の半分は自分に戻りますが、半分は相手に取られてしまいます。
上記のいずれか(もしくは全部)ということになります。
(4)離婚するから住宅ローンの名義変更をしたい!
離婚に伴い、家も住宅ローンも夫から妻へ名義を移行したい。
住宅ローンは銀行と申込人の間で交わされたお金の貸し借りです。夫婦と言えども、簡単に名義を入れ替えることはできません。それは連帯債務者であれ、連帯保証人であれ同じで、離婚するからと言って勝手に名義を変更したり、抜いたりすることはできません。必ず、抵当権者である銀行の承諾が必要です。
この場合、住宅ローンを引き受ける人が新たに住宅ローンを申し込み、今までのローンを一括返済することで実質名義を入れ換えるという作業をします。
夫名義の住宅ローンの不動産に、離婚後も妻が住み続けるからという理由で、住宅ローンを妻名義にしたいと考えた際、妻にそれなりの収入がなければなりません。専業主婦やパート勤務では、いくら担保となる自宅があっても住宅ローンは貸してくれません。正社員として就業し、返済基準を満たす年収を得ていることが大前提となります。
この大きなハードルをクリアーできれば、問題なく住宅ローンを移し変えることが可能になりますが、一般的には住宅ローンの名義変更は無理な場合が多いようです。
(5)離婚するから連帯債務をやめたい!
離婚を理由に連帯債務者・連帯保証人をはずすことはできません。先ず、融資を受けた金融機関に相談してください。場合によっては、借入金を全額一括返済し、新たにローン(単独ローン)を組む方法が考えられます。当然、借換え費用がかかります。
ただし、離婚の条件として連帯債務から外してもらいましょう!
離婚の際にはそれまでの財産形成の内容に応じて財産分与が認められますので、その財産分与分(ほとんど無いかもしれませんが)の一部を放棄する代わりに連帯債務を外してもらうなどよく話し合ってください。話し合いがつかないということであれば裁判所に調停してもらうことを強くお勧めいたします。というより、離婚する際には絶対に連帯債務から外してもらうことがベストです!
(6)主たる債務者(元夫)の居所が分かりません
別れた元の旦那様(主たる債務者)が見つからないケースは非常に多いです。名義人と連絡が取れて、売却の同意が得られないと競売を避けることは出来ません。
競売で終わりではありませんよ。
残る住宅ローンの返済も求められてしまいます。